研修医の暇つぶし

ここを心のキャンプ地とする

理不尽に向き合う力

 理不尽に怒られた。他人よりたくさん仕事を押し付けられた。誰も努力を褒めてくれない、みんなミスを責めるだけ。そういう考えを今の人はみんな持っていて、その結果結果怒られたくない、指摘されたくない、なるべく早く帰りたいという考えを持った保守的草食的人間が生まれる。

 私もこの人間の1人であった。なぜなら他人より遅くまで残って頑張っても評価は、なんか夜遅くまで一人で頑張っているやつという嬉しくもなんともないもの。さらにミスする確率と嫌味な上司との接触が増えるおまけ付き。家に帰れば怒られないし、新たに仕事を振られる事もない。働き方改革なんだからみんなホワイトに和気藹々と行きましょうよ。

そう思っていた。

 

 そういう考えを改めなくてはと考えたのは最近で、それは実習中にとても優しい先生と話をした時のことであった。その先生は学生は疲れるだろうし、来なくてもいいよというスタンスの先生で保守的人間からすれば神の様な先生であった。その先生曰く「最近の実習生は全体的に良くも悪くも良い子で、自分からあれがやりたいとかこれに挑戦してみたいという事を言わない。それで必要な時にやらせてみるとできない。それで怒られる。そして怒られた事をとても気にしてもっとなにもしなくなる。言われた事しかやらないんじゃ大きな成長は望めない。人間どんな事もtry&error なんだから。」感銘を受けた。

 自分からは何もしない。帰りたい。言われたからやってみたら初めてだったから失敗してしまった。その事を怒鳴りつける人もいれば、優しく指導してくれる人もいるだろう。ただいつも帰りたそうにしている人に優しくしてくれる人は多くはないだろう。それが歳をとってからなら尚更だ。

 この短い会話から色々と考えさせられた。まずは怒られる事は仕方ないということ。初めてやるんだから失敗するのは仕方がない。それを叱られるのは理不尽と感じてしまうかもしれないが、それはその人なりの指導なのであって、それを恐れる必要はない。次から間違えない様にすればいいのだから。次も間違えたらまた怒られればいいのである。次にやりたい事はやりたいと言ってみるという事。まだ学生でそれでミスがあったとしても自分に責任が生じる事はないのだからやってみたほうが良い。体験して見た方がいい。その時の友達よりも帰る時間は遅れるかもしれないが、その友達よりも一つでも多くミスを体験できたら、そんな1、2時間の差なんてお釣りが来るくらい有意義な時間になるだろう。

 「俺らの若い頃は・・・」と聞くと蕁麻疹が出てしまう人が多いと思うがその話は実はこのtry&error を行なっておかないと後々苦労するぞという大切な助言なのかもしれない………信じるか信じないかはあなた次第です。